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どこかの黄門様が嘆いているそうだ。

民主離党騒動「泣きたい気持ち」 渡部最高顧問が二大政党論の敗北を宣言 - MSN産経ニュース

民主離党騒動「泣きたい気持ち」 渡部最高顧問が二大政党論の敗北を宣言
2011.12.28 14:38 [民主党

 民主党渡部恒三最高顧問は28日、産経新聞の取材に対し、同党議員9人が離党届を提出したことについて「私の長い政治生活で、(東日本大震災などにより)今ほど政治が大事な時はないが、今ほど政治が混迷し、国民から信頼されない状態も初めてだ。国民に申し訳なく、泣きたい気持ちだ」と語った。

 渡部氏は「二大政党になれば政治が安定すると思って自民党を飛び出し、今日まで民主党でがんばってきたが、考えていた通りにならなかった。今、民主党がダメだから自民党に期待する国民の声もない」と指摘。また、「民主党内でも野田佳彦首相が頼りにならないから小沢一郎元代表にしようという国民の声もない」とも強調した。

小沢一郎が主導した小選挙区制度は、政権交代が可能な二大政党を作るということが目的だった訳だが、その本音は政権交代可能な「保守」二大政党を作るということで、実際には当時の社会党共産党の勢力を削ぐことが目的だった。

ところで二大政党の代表でもあるイギリスなんかでは一応、右派の保守党と左派の労働党があって、それぞれが政権を担うことでバランスをとろうとしているように思える。

イギリスに限らず、右派政党と左派政党が政権を交互(でないにしても)担うわけだけれども、政権の維持を考えれば左派は右派の歓心を得るために中道・右寄りの政策をとろうとするし、右派政党はその逆で、中道・左寄りの政策をとろうとする。結果として(というより政策の継続性を考えれば当然だと思うのだけれども)それぞれの政党は中道寄りの似通った政策を打ち出すしか無いと言うことになる。

日本の場合では、ネトウヨなんかは民主党を「極左」呼ばわりしているが、実際は鳩山由紀夫を筆頭に、右翼が好むような憲法改正に積極的な政治家も多く、その実は自民党と変わらず、一部はてなユーザーからは『第二自民党』と揶揄されている始末だ。実際、自民党も加藤紘一のような人間もいるし、ネトウヨや産経を代表とするマスコミが考えるほど民主党と自民党に差があるわけではない。
要するに小沢が望んでいた状態になったわけだが、実際にそうなってみると野党の自民党は、民主・自民どちらがやっても政策の結論に大きな違いがない以上、無理に民主党に協力をしてまで自分たちの政策を通す必要はなくなっていくわけで、政治の安定というのは自民党の安定政権を築くことだという話になるので、ろくに審議に応じないと言うことになるし、民主党民主党で自民党に媚びると、反自民の風を受けて先の総選挙で当選していった議員たちは次の選挙で自分の議席が無いということになってしまうので生き残りをかけて民主党を離党するという騒ぎになる。結果として政治が安定しなくなるという状態になった。

可哀相で泣きたいのは国民の方で、民主はダメ、自民は当てにならないとなれば政治に期待することはできなくなる。
しかもそもそも小選挙区制度の問題があって、必ずしも選挙区の民意を反映しない選挙結果になってしまうことからますます政治に対する期待が持てなくなってしまう。
既存の政党に期待できないとなれば既存の政党や既得権益をぶっ壊すと叫ぶどこかの西の方の政党に期待すると言うことにもなってしまいかねない。そうならないとしてもやはり既存政党が期待できないという状況が何時までも続いてしまうのは1930年代の日本の状況が復活しかねないし、そのような状況が日本に何をもたらしたのかはいうまでもないだろう。

黄門がまずすべきことは「泣きたい気持ち」になることではなく、二大政党制の総括をきちんとすることで、その反省の元、再度選挙制度の改正を行うべきだ。そしてその改正作業には決して小沢一郎を加えないことだ。