ヒトラーの大予言(笑)
Mixiの友人経由で知ったブログ。
本文自体にチャチャを入れるわけではないが、問題は
毎回の文章の後についている以下の文章だ。
ヒトラーの選挙戦略
「1999年以後 ─ ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図」(祥伝社。五島勉・著。1988年10月出版)に書かれている「ヒトラーの選挙戦略」:どうだ、わたしの言ったとおりだろう。選挙の極意とはこういうものだ。つまり大衆は限りなく愚かだ。大衆は女のように感情だけで動く。だから女をモノにするときのように、優しくしたり威圧したりすれば、大衆も政権も簡単にモノにできるのだ。
青少年も同様に愚かだ。彼らには車とオートバイと美しいスターと、音楽と流行と競争だけを与えてやればいいのだ。
それでシャンペンの空気を抜くように、かれらの頭から”考える力”を抜き取る。あとは車とスターと流行と音楽の力を借りて、ワッとけしかければ、彼らは武器を抱いて地獄の底へでも突っ込んで行くよ。
そのためにも、大衆や青少年には、真に必要なことを何も教えるな。必要がないバカのようなことだけを毎日毎日教えろ。それで競争させろ。笑わせろ。ものを考えられなくさせろ。真に必要なことは、大衆と青少年を操るものだけが知っていればいい。
そしてあとは、”国家のため!”と何千回も呼びかけて、戦わせ殺し合わせるのだ。1人の人間を殺せば殺人犯だが、戦争で100万人を1度に殺せば、その男は必ず国家から最高の勲章をもらえるぞ。
Mixi仲間では、これを日本の西のあの市長に聞かせたいとかで肯定的にとらえられているようだ。
確かに文章自体は現代の批評・批判ともとれるだろう。
ヒトラーが山荘でナチ党の幹部達にどんな話をしたのかどうかは私は不勉強で知らないが、一つだけ言えることがある。
「五島勉に騙されるな!!」
五島勉を有名にしたのは、ある一定の年齢以上の人なら一度は耳にしたであろうこの新書だ
ノストラダムスの大予言―迫りくる1999年7の月、人類滅亡の日 (ノン・ブック 55)
- 作者: 五島勉
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1984/01
- メディア: 新書
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この本はベストセラー・ミリオンセラーという言葉では足りないほど売れたのであったが、五島氏が全くといっていいほどノストラダムスの知識がなかったこと、その予言詩解釈がトンデモであり、この本が「五島勉の大予言」であると批判したのは以下の本が詳しい。
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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この本の中に「1999年以後 ─ ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図」の言及がある。
同書の紹介の中で
「ヒトラーは本田美奈子の出現を予言していた」とあったのにはぶっ飛んだ(笑)
流石にそんな本を金を出してまで読みたいとは思えなかったのでそのままにしていたのだが、流石に友人が肯定的に紹介しているので気になりググってみたところこのようなホームページにぶつかった。
「すかっ?本」
この文章は1999年(!)に書かれたもののようだが管理人氏は以下のように五島勉に突っ込みを入れる。
“神人”になるために
前に、2039年、人類が「人類以外のもの―“神人”と“ロボット生物”―」って書いたけど、コレは、支配する“神人”と、支配される“ロボット生物”って2極かが起こるってことなんだって!で、その“神人”のはしりが、今井美樹、本田美奈子、後藤久美子なんだって(ヤッター!:筆者イク)!その理由が、今井美樹、本田美奈子がヌイグルミが好きなことで、後藤久美子は“生意気”なんだからだって!じゃー、フィギア好きで、生意気な私なんか絶対“神人”だー(ふ・ふ・ふ、オメーラみんな支配してやるぅ〜っ:筆者妄想モード)!で、五島氏が“神人”になる可能性を秘めている人として挙げているのが…、
「ペーパーテストとコネだけで出世してきた人、学校の成績だけいいような人」ではなく、「むしろ超能力開発の瞑想を夢中でやっているような人、修行を積んだ高僧、コンピュータ気狂いのような人、狂おしいようなスポーツマン、前に出てきた100個のぬいぐるみに埋もれている女性タレント」なんだって!
安易に、あの人達(まだ活動中なので名前は出せません!)に結び付きそうな人間像だ!
そして、あの人とも(周辺事態法の中心的国家の指導者、何たって特撮好きが昂じて…)…。
だ・か・らぁ〜、ネッ、五島氏の言っていることはかなり眉唾だから、信用して「よっしゃー!来る2039年に“神人”となって世界を支配するために、今年の7月に、一発カマシちゃる!!」なんてことは思わないで(^o^)!“神人”候補の皆さん!おわりに
五島勉氏は、ヒトラーの他にも、聖徳太子やら、果ては『イソップ物語』(エッ!)まで、予言者や予言書として、読み解く。それらは、みな、1999年から、ノストラダムスから如何に撤退するかの試行錯誤のように私には思える。新しいネタの発掘である。
1999年を迎えた、今、五島氏の苦悩から、さて、何が生まれるやら…。
上記引用文に付け加えるならば
聖徳太子はジュリアナ東京*1を予言し、イソップはウサギとカメの寓話で異常気象を予言したんだそうな*2。
問題だと思うのはいい話だからいいじゃん? - kodebuyaの日記でも言及したことだけど、いい話だから誰が、どのように書いた本かを無視して、その書物の文章だけを一人歩きさせることだと思う。
この引用はあの極悪人のヒトラーが政権奪還の手立てを明らかにしたものだということで、このような手段に騙されようとしている日本国民への警句だということだと思うんだけれども、その文章がヒトラー自身のものによるものではなく五島勉の創作の可能性も高い文章だということになるのであれば説得力も無くなろうというものだし、こんな文章が拡散されることはむしろ害の方が多いといわざるをえないでしょう。
某西日本の市長を支持する民意を批判するにしても、こんなそもそもの根拠がはっきりしないもので批判することはなんの効果も無いし、批判する側の無知やメディアリテラシーのなさを自白するようなもので百害あって一利なし。むしろ一般的な話として主張する方が説得力もでようものだ。
どうでもいいけど最後はチャップリンの「殺人狂時代」でも似たような台詞が出てくるよね。
チャップリンがヒトラーの言葉をパクッたのかな?
それとも五島勉がチャップリンを(以下略)