kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

脱原発をかなぐり捨てた橋下徹と橋下に取り込まれた飯田哲也

原発だとして、一部のリベラルや超左翼の人からの支持を得た橋下徹であるが、ついに本音をむき出したようだ。
  :日本経済新聞

大飯原発、橋下市長が夏だけの再稼働案に言及
「容認ではない」とも強調 2012/5/19 23:09

橋下徹大阪市長は19日、大阪市内で開いた関西広域連合の会合で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を夏の電力需要のピーク時に限定して再稼働させる案に言及した。橋下市長は再稼働を「容認したわけではない」と強調する一方で「ゼロか100かの議論ではなく、フル稼働に向けた動きを少しでも食い止めるためのぎりぎりの提案」とした。

 関西広域連合の同日の会合には細野豪志原発事故担当相と斎藤勁官房副長官が出席し、政府が4月にまとめた新たな安全基準を説明して再稼働に理解を求めた。閣僚が関西地域の首長らが集まる公式会合に出席し、再稼働への政府の考え方を示したのは初めて。

 原発相は会合で政府の安全基準について「原子力規制庁の発足が遅れていることはおわびするが、現時点でやるべき事は前倒しで導入している」と強調した。ただ知事らからは安全確認に万全を期すべきだとして早期の再稼働に慎重な意見が目立った。

 注目を集めたのが橋下市長だ。これまで大飯原発3、4号機の再稼働を政府が「妥当」と判断したことを受けて「政治家が安全を確認できるわけがない」と発言するなど再稼働への反対を表明。政府の最終判断が近づいていることを踏まえ、新たな考え方を示したとみられる。
(以下省略)

「ゼロか100かの議論ではなく、フル稼働に向けた動きを少しでも食い止めるためのぎりぎりの提案」というが、この発言は突然飛び出した話ではない。

節電と増税を踏み絵に再稼働を迫る橋下市長 - 浮游空間経由でしった
以下の記事
節電に住民支持ない場合は再稼働容認…橋下市長 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)によれば

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対している大阪市の橋下市長は26日、市役所で報道陣に、「原発を再稼働させなくても(今夏の電力需要を)乗り切れるかどうかは関西府県民の努力次第。相当厳しいライフスタイルの変更をお願いすることになる。その負担が受け入れられないなら、再稼働は仕方がない」と述べ、節電策に住民の支持が得られない場合、再稼働を容認する意向を示した。

を踏まえての発言であることは間違いない。
読売の上記記事は脱原発か増税かの踏み絵を大阪市長が関西府県民に迫るというもので、かつ、その選択の責任を住民に押しつけるというものであり、これのどこが「脱原発」なんやねんと言いたくなる発言であったが、その発言に大きな反発がないことを見越して、改めて再稼働容認の立場を強く押し出してきたと言うことだろう。

橋下は「関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を夏の電力需要のピーク時に限定して再稼働させる」というのだが、これについたはてなブックマーク*1

rakusupu 不適切なブックマークを通報する 地方, 政治
手のひら返しフラグの履行がじわじわと… /と思ったが、ピーク時だけ稼働の運用ができるのは水力で、原子力はそもそも長期間RUNさせる運用しか出来ないじゃん、寝言だよ寝言。 2012/05/20

shigeto2006 不適切なブックマークを通報する
原発というのは簡単に点けたり消したりできる設備じゃないのだよ。「再稼働を容認したわけではない」というのはまったくの詭弁で、これで橋下徹は脱原発派の看板を完全に下ろしたといっていいのだ。 2012/05/20

daishi_n
原子力は冷温停止に数日かかるんだから毎日止めて稼働させてを繰り返すのは無理。何度もECCS作動させたら炉が劣化するしな。負荷追従運転にしても日本国内では数カ所でしか試験やっとらんし、反対運動もあったのにな 2012/05/20

という批判がついているが全くその通りだと私も思う。
だいたい福島第一原子力発電所について政府が「冷温停止宣言」*2するのにあれだけの時間がかかった。事故はと異なるといえども時間がかかることは間違いない。
これではっきり言えることが一つある。
橋下は原発をパソコンのスイッチを付けたり消したりするのと同じだと考えていることだ。
そしてなによりもかってこのような発言をしていた人間が脱原発なんて本気で考えるはずも無かったと言うことだ。

橋下「核武装論は私人としての発言で公的な発言じゃないもんねっ、釣られてやんのバーカバーカwwww」

核武装発言は私人としての発言」 橋下知事と民主が大激論  (1/2ページ)
(前略)
橋下知事が感情をあらわにしたのは、過去にテレビで核武装発言をしたことについて問われたとき。「私人としての立場での発言。府知事として公人についた以上は一切、そのような主張をすることはありませんし、とることもできません」と答弁した。「立場の問題ではない。真意を聞いている」と切り返され、「私は大阪府知事で、24時間365日公人であり、私人としてのコメントは一切、申し上げません」と語気を強めた。

そしてそんな橋下のブレーンとして活躍している飯田哲也はこれについてどう考えるのか?
飯田哲也の珍回答 - 大阪弁で世情を語る - Yahoo!ブログによれば橋下に流され(?)大阪MBSラジオの番組『たねまきジャーナル』に出演した際にこんなことを言い出したようだ。

我々は止めるための無理難題を言っているんじゃなくて、
当然再稼働するに当たっては満足するべき条件というものを出しているので、
誰もが納得するから広まっていく訳で、
それは何らかの形で政府にしっかりと入っていくと僕は思うんですね。
で、そこで、
かといって現実的にムチャクチャなものは要求できないので、
ムチャクチャというか、理想が現実にはいきなりはならないので、
一定程度の物がクリアできれば僕は再稼働も私はというか、
橋下さんもありとは考えていますよ。
私も、ま、それは合理的だろうとは思うんですね。
ただ、その時には「10年とか20年とかの単位で確実に原子力はゼロになっていく」っていう事との取引だと思いますね。

まずは原発を「少しでも」止めることが現実的と言いたいのだろうけれども、上記ブログが指摘するように、再稼働させるために実現不可能なハードルを掲げていながら、一方で再稼働は是とする。
これは矛盾というものだし、今までの立場を考えれば不誠実だという誹りは免れないだろうと私は思う。

大体核武装容認主義者が脱原発のはずがないと考えるのが普通であって、そんな橋下に実行力がありそうだからということだけで取り込まれた飯田に問題があると言わざるを得ない。

原発のために橋下を応援すると言っていた人々はこれをどう評価するのか?
「橋下さんも、ただの人の子のように見える。欠点も多いが、長所もないわけではない。必死で自分の考えを多数のものにしようと日夜時間を惜しんで突っ走っていて、間違いも多いが、ときおり当たることもある。」*3
などと甘やかすからこのような事態に陥っているのではないのかと思う次第だ。

*1:http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E3EBE2E3858DE3EBE2E7E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

*2:この宣言だって怪しいものだと私は思うけれども

*3:http://chousayoku.blog100.fc2.com/blog-entry-1170.html