kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

火事場泥棒の民主党と、論外な自民党

Mixiの友人から聞いた話。
パーキンソン病潰瘍性大腸炎といった、症例が少なく治療方法や医薬品の開発が進まない難病については、症例を集めて研究するとともに治療費の自己負担分の全額または一部を公費で負担すると言うことになっているのだそうだ。
だから、それらの難病(特定疾患)に認定されれば公費負担の申請をすることはなんの問題もないのだが、それをしない患者もいるという。
国から金を恵んでもらっているとでも思ってしまうのだろうか?

つい先日の話だが人気お笑い芸人の河本準一氏の母親が生活保護の不正受給をしていたと国会で(!!)問題視され、そのの河本氏が謝罪の記者会見を開くに至った。

河本準一氏は私は別に好きでも嫌いでもない芸人で、肩を持つ義理も何もないが、かっては吉本の若手は新人のうちは一日日当500円しか支給されておらず*1、もちろん売れっ子になれば別だけれども、その間は親兄弟の面倒を見るのは不可能に近い。
芸能界は浮き沈みの激しい社会であって、過去吉本に干されて餓死した芸人もいたと聞くし、最近(でもないけれども)では紳助竜介の故松本竜介氏は晩年ピンサロのボーイをしていたという話を思い出したりすると、確かに今の河本氏の年収なら親の援助は可能なのだろうけれども、そこまで叩くべき話なのか?と思う。

むしろ問題なのはそれを契機に*2厚生労働大臣小宮山洋子は扶養できないことの「証明義務」を生活保護受給の事実上の条件にする法改定の検討を表明するなど、社会保障制度の切り捨てを画策し始めているということだ。

赤旗は次のように批判する。
主張/生活保護たたき/生存権奪う“便乗改悪”やめよ

特殊な事例を口実に

 今回のタレントの場合は、自民党議員が「不正受給」と指摘するような法律違反はありません。

 14〜15年前、母親が病気で働くことができなくなり、息子も当時の収入では扶養できなかったため受給が認められました。収入が増えてから一定額の仕送りもしていました。いずれも福祉事務所と相談しながら行ってきたものです。

 民法は、祖父母、父母、子、孫など直系血族と兄弟姉妹に扶養義務を定めていますが、成人になった子の親への扶養義務は、無理のない範囲で行うというものです。扶養内容や範囲は、当事者同士が実情に応じて話し合いで決めるのが普通です。

 現在も生活保護申請の際、申請を受けた福祉事務所は扶養義務のある親族に扶養意思の有無を確認しています。このため親族に生活保護を申請したことを知られるのを嫌がり、申請しない人が少なくありません。そもそも生活保護が必要な人たちの親族には、扶養できる経済力のある人がほとんどいないのが現場の実態です。

 小宮山洋子厚労相が、扶養できないことの「証明義務」を生活保護受給の事実上の条件にする法改定の検討を表明したことは重大です。こんな条件をつければ、保護が必要な人がますます申請をためらい排除されます。かりに無理に扶養をしたとしても、扶養される側もする側も「共倒れ」になる危険もあるものです。

 人気が出てきたタレントの親の扶養という非常に特殊なケースは、あくまで道義的な問題であり、制度の欠陥ではありません。問題をすりかえて改悪の口実にするのは邪道というほかありません。

 いま生活保護制度で重要なことは、必要な人に手が届いていないことです。全国各地で実際に起きていることは、生活が困窮している人に対して「まだ働けるでしょう」などと申請すら受け付けない事態なのです。

 今年1月に判明した札幌市白石区の姉妹「孤立死」では、姉が生活保護の相談のために市の窓口を3度も訪問していたのに、申請させなかったことによって引き起こされた悲劇です。ますます制度から締め出す改悪は「孤独死」を激増させることになります。

必要な人に届くよう

 生活保護受給者が209万人へ増加したのは雇用破壊と貧困の拡大によるものです。生活保護を受ける資格のある生活水準の人が実際に受給している割合は、欧州諸国7―8割に比べ日本はわずか1―2割です。この改善が求められます。日本はいま病気や失業すれば誰もが一気に無収入になりかねない「滑り台」社会です。憲法25条で保障された生存権を破壊する改悪は中止し、生活を保障する機能を強めることが急務です。

小宮山洋子らの思惑通りに進んでいけば生活保護を受給する人間は「親族の誰からも援助を受けることが出来ない貧乏人一族」のレッテルを貼られることになりかねず、ますます申請しにくい環境は増えるだろう。
思うに、親族関係なんて多種多様であって国が規定すべきものではないのである。だいたいDV夫から逃げ回っている母子がその夫に援助してくれといえると思うか?

しかしそれに輪をかけて自民党の提案は酷い。
てきとう:自民党 「生活保護はフードスタンプ等の現物支給へ変える!現金を渡さない」 次選挙でナマポ乞食終了か - livedoor Blog(ブログ)

1 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2012/05/24(木) 21:16:12.69 id:RQrqCzBH0● ?PLT(12101) ポイント特典

生活保護は現物支給に変える
自民党は生活保護の給付削減や超党派による社会保障制度改革国民会議の設置など具体的な政策提言を連発し、首相に譲歩を迫った。
首相は提言を歓迎しつつも、政府案の白紙撤回という最後の一線は越えなかった。

自民党が重視する生活保護の見直しでも、首相は給付水準の10%引き下げなど五項目のうち
「四か三・五ぐらいは同じ」と大筋で同意。国民会議の創設も、
首相は「前向きな提言だ。そういう協議はどんどんやりたい」と積極的な姿勢を見せた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012052402000105.html

食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助等を現金給付から現物給付にする
www.jimin.jp/policy/policy_topics/recapture/pdf/061.pdf

自民党 「生活保護はフードスタンプ等の現物支給へ変える!現金を渡さない」 次選挙でナマポ乞食終了か
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1337861772/

給付水準の引き下げに同意する野田も野田。
最低賃金より高いからという程度なんだろうけれども、だったら最低賃金を上げるよう経済界に働きかける気はないのか?この件で小沢派議員からなにか反対意見があったとも聞かないが、所詮こんなものなのかと今更ながらがっかりする。

しかしまだ、現金支給が続くのならまし。お金に色はついていないから。

アメリカなどの例に倣ったのだと思うけれども、生活保護受給者が白眼視される日本で「私生活保護もらってま〜す」と言っているのと同様のフードスタンプなんか使えるとでも思うのかね?
生活保護なんか受けるなと宣言したのと同様で、棄民制度だとしか私には思えない。

ところでどうでもいいけれども、この件で生活保護受給者を心ゆくまで叩く連中ってどう考えているんだろう?
きちんとした運用をするのならばそれなりの人員が福祉事務所には必要になるのだけれども、その経費増額はOKなのかね?それともオーウェルのいう「1984」のような相互監視社会を望んでいるのかね?

*1:修行中の身であることを考えると決しておかしなことではないと思うけれども

*2:というより「火事場泥棒」とでもいうべきだろう