kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

子どもにツケを残す

今朝のテレ朝の情報番組「やじうまテレビ!!」でゲストコメンテーターの一人が、民主と自公が消費税増税の取り扱いについて協議に入ったことをうけてこのような発言をした。
「子どもにツケを残さない」

これってどういうことなんだろう?
確かに日本の財政は赤字国債が多いのは確かだが、消費税増税をして財政の出と入りの均衡が保てたとしても、日本の成長が起きなければ、消費税の逆進性を考えるとますます格差が生じてしまうと思うのだが。これは子ども達への「ツケ」ではないのだろうか?

税金を上げるのか下げるのかという問題は当然のことだけれども景気に影響を与えるし、また、景気に影響されて決まっていく。
好景気であれば、増税をして景気の過熱を押さえていくし、不況であれば財政出動と併せて減税をするなどして景気に刺激を与えていくのが本来の形である。
だから竹下登*1の最大の悪事はバブル期に消費税を導入して税の直間比率の是正をしようとしたということではなく、「ふるさと創生」と称して、地方自治体に文字通り「バラマキ」をしたことでバブルをむしろ煽ったことだ。本来なら消費税ではなく法人税や所得税の増税をするべきだったと思うが*2、消費税を増税しバラマキをしたことで消費税増税分は国庫に入らず、徴税力を失っていくきっかけとなったわけだし、橋本龍太郎にいたっては、不景気の中「橋本六大改革」なる財政再建を柱とする緊縮財政を行い、山一証券や三洋証券・北海道拓殖銀行の破綻をもたらし日本を恐慌の一歩手前まで追い詰めたのだった。

だから野田佳彦首相が血道を上げて邁進する消費税増税なんて、いまのデフレ下の日本では、さらにデフレを進めるものとしか私には思えない。
だって、インフレと違いデフレではお金の価値は高まっているのだから、消費者はさらに低価格のものを求めることは明らかだ。その上、あくまでも価格に対して消費税はかかるのだから物価の下落で思うほど税収は増えないのであるから、消費税だけで全てをまかなうことは今の日本では不可能に近い。その上格差が広がりかねないのだから目も当てられない。

子どもにツケを残さないために行ったことが結果として子どもにツケを回すことになりかねない。

クルーグマン「子供のためを思って」(2012年6月6日) – 道草はこの状況を

卒業して飛び込んだこの悲惨な雇用市場から立ち直ることはない.でもさ,手の打ちようなんてないんでしょ.緊縮策をやらなきゃいけないもんね,次の世代のために.

と皮肉る。

ギリシャやフランスで今起こっていることは、子どもにツケを残さないために積極的な財政出動を求めているものだ。それをアメリカやイギリスの経済誌や日本のマスコミはヨーロッパの危機と世界を煽っている。

どちらが正しいのかは次の世代が証明するのだろう。

*1:昨日のTVで孫のDAIGOが出ていて思い出した(笑)

*2:これについては小此木 潔の「消費税をどうするか」(岩波新書)にあるが、直接税を減らしすぎたと財務省幹部が反省することになる要因となった