kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

橋下徹という生き方

橋爪大三郎、よくこんな男に大学教授が務まるな(呆) - kojitakenの日記より

tarari1036
2012/06/19 13:31 このブログで読む前にすでに目にしたことがあるが、あまりひどい文章なのでさっと流した。この文章が著書が多数の東工大教授が書いたものというのに驚いたので、改めてマジに反論してみる。

1.法律を作れないから独裁でないというのはウソ。
ナチスは共産党を弾圧して排除して議会での多数を獲得し絶対的な権力を手にした。全権委任法も立法権の独占も独裁の前提ではなく、絶対的な権力を得たことの結果に過ぎない。

2.国家レベルでないと独裁でないというのはウソ
地方では地方レベルでの独裁がありえる。大阪府では維新の会が過半数を占めた。橋下は思い通りにならない公務員、教員を有無をいわさず、排除する条例を作った。

3.「独裁」という用語を個人独裁に限定するのは誤り
「ひとの話を聞く」とは言っても、自分の政党・会派の議員、取り巻き、顧問などの話を聞くことはヒトラー、スターリンでもしている。そうでないと政治はできない。話を聞く相手と聞かない相手を決めていることが問題である。敵対する勢力を有無を言わさず、言うことを聞かせる、排除するということが独裁である。また、その過程で基本的人権を無視し、法律を無視したやり方だということが独裁なのである。

4.「民意」を独裁批判の盾にする橋下
多数をとっても少数派の意見を無視しないのが真の民主主義である。橋下は市民に選ばれた自分の考えが民意であるとする。橋下はよく議論をする。議論はしても決定するのはすべて自分であり、価値判断も自分が行なう。今はまだ彼の権限は相対的なものに過ぎないが、かれの決定権を支持し、かれの価値判断を受け入れるするマスコミ、政治家、知識人が彼の権力基盤を固めつつある。


5.「弁護士であるから人の話を聞く(に決まっている)」という最悪の論理
「医師だから人に優しい」、「大学教授であるから教養がある」、「警官だから犯罪はしない」、こんなことは何の議論の前提にもならない。そのひとが「何であるか」ではなく「何をしてきた人か」こそが議論の前提になる。所属する大阪弁護士会から懲戒処分を受けるほど法を無視してきた弁護士であるという事実はどう考えるのか。

6.橋下が「法律的手段を考える」のを仕事にしてきたというのはウソ
橋下の弁護士活動は法律を元にしていない。訴訟をすれば双方不利益だから、示談に持ち込むというのがやり方だった。法律を元にすれば否定できない相手の権利がある。相手が法律に無知なのをよいことに、詭弁・恫喝で借金の返済を迫るのを商売にしていたのである。http://www.kouenirai.com/profile/1429.htm
また、憲法違反を承知で思想調査を職員に行なっていたのも事実である。都合のいいときは法律を盾にとり、都合の悪いときは法律無視でやってきたのである。この手法は独裁者を目指すものにとって似つかわしい。


7.論争相手に向かって怒ってみせるのは支持者向けのパフォーマンス
相手の批判が正鵠を得ているときには議論の本筋をそらすために怒って見せる。めちゃくちゃな議論なのだが、この術にはまる支持者は少なくない。「沈没感」の共有ではなく、敵を作って叩くと喜ぶという一部のネットユーザーのマインドの共有でしかない。橋爪氏もそのひとり。

こちらのコメントで紹介された橋下徹プロフィール 講演依頼.com|講演会の講師紹介を見てみた。
id:tarari1036様ご指摘のような記述がある。雑誌による橋下本人へのインタビューのようなので少なくともこの時点では本人はこのような弁護士活動をしていたということになる。

PHP研究社 「THE 21」(2003年7月増刊号)より抜粋】

――訴訟よりも示談交渉を重視して仕事を行っているそうですが、それはどうしてなのでしょうか?

<橋下>弁護士としては、訴訟になったら失敗だと僕は思っているんです。訴訟になれば、多額の費用と時間がかかり、依頼人に大きな負担がかかってしまうからです。それよりも、訴訟にならないように示談交渉をして、解決をめざすほうが依頼人・相手方双方のためになります。もちろん、それでも解決できないときには、裁判で白黒つけてもらうしかありませんが。

(中略)

――それほど面倒な示談交渉を、どうして仕事のメインに位置づけられているのでしょうか?

<橋下>一つは先ほど述べたように、依頼者の負担を軽くするため。そして、もう一つは僕自身のためです。僕のような若い弁護士が、自分の事務所を開いて顧客を集めるのはたいへんです。先輩たちと同じことをしていたのでは、僕の存在価値がありません。だから、あえて他の弁護士がやらない示談交渉をメインに据えて仕事をしているんです。〝自分の色〟を出すという意味で、人と違ったことをするのは重要だと思います。
(強調は引用者)

橋下はその主著のひとつである『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)*1によれば

交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三通りの方法しかない。
 “合法的に脅す”“利益を与える”“ひたすらお願いする”の三つだ。そのなかで、最も有効なのは“利益を与える”ことである。
 この場合の利益には二通りある。一つは文字通り相手方の利益。もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。不利益の回避によって感じさせる“実在しない利益”とも言える(6頁)。

ここでいう「仮装の利益」とは交渉相手に対して見せるものではなく、依頼者に対しても見せるということが重要な点ではないかと思う。
あなたのために(依頼者・交渉相手)譲歩するんですと過剰に演出することで自分への非難を最小限に抑えるということだ。こうやって橋下は自分の人気を維持させているのだと思う。

橋下は本音を誰にも見せずいかにも譲歩したように見せるのでよくダブスタとかくるくる王子とか掌返しといわれるのだが、それは彼特有の周到な計算があり、その利益は専ら自分のためのものだということだ。

*1:詳細については中島岳志氏の「橋下徹の言論テクニックを解剖する」(http://www.magazine9.jp/hacham/111109/:title)が詳しい