kodebuyaの日記

再分配にYES!!そして橋下にNO!!の食レポブログです。

橋下の論争テクニックの一つ(文楽について)

中島岳志北海道大学准教授に言わせると、橋下徹大阪市長の言論テクニックは、
「不毛な議論をふっかける」*1
「架空の利益」*2というものがあるが、それ以外に「たとえ話で論理をすり替える」というものがあり、
彼はそれらを議論の中で組み合わせながら使ってくる。

この度文楽の問題について、このうち「たとえ話で論理をすり替える」というサンプルが採取できたので、メモしておく。
橋下の言論テクニックを知っておくことは、彼の本意を図るのにやはり重要だと思うからだ。

話の始まりは橋下のこのつぶやきから始まる。
https://twitter.com/t_ishin/status/234480181337804800

こういうロジックも成り立つんです。なぜストリップに助成金はダメなのか。自称インテリや役所は文楽やクラシックだけを最上のものとする。これは価値観の違いだけ。ストリップも芸術ですよ。だからアーツカウンシル RT @himeluncle: ストリップショーも芸術…助成金を(^^;;

流石にこれはおかしい。
自称インテリも役所も文楽やクラッシックを最上のものと定義しているわけではない。
なぜならそういうことをすることは芸術に優越をつけるもので、特に全体の奉仕者たる役所の立場としては、そのようなことは口が裂けても言うべきではないからだ。
そして文楽について言えばその無形文化財であるという立場があり、その点を役所は勘案して今まで補助金を出したということだ。

そして橋下はその補助金を「バサーっと切」ろうとしており、そこに批判が集中している。
橋下は芸術や日本の伝統芸能についてあまりに無関心だと。

もちろんストリップを芸術として補助金を出したいならそうすればいいと思うし、そうならば橋下は公の場できちんとその旨を説明すれば良い。議論のための議論としてストリップを出したとしか思えない。

いろいろな批判がこの発言に当然だけれどもおこり、いよいよ橋下は得意のテクニックを披露した。
批判のうち、ストリップを子どもに見せていいという意見なんだな?という問いについて。
Twitter / t_ishin: 曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか ...

曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか? RT @2525FEDis: 半端ない違和感が何なのかやっと分かった。『ストリップ』を子ども達に芸術だと教える気か?役所が助成すべきかどうかは、そういう線引きだろ?

さらにこういった。
https://twitter.com/t_ishin/status/234594422925447169

曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか?そういうロジックではなくあらゆる表現には芸術性が宿ります RT @2525FEDis: 半端ない違和感が何なのかやっと分かった。『ストリップ』を子ども達に芸術だと教える気か?役所が助成すべきかどうかは、そういう線引きだろ?

https://twitter.com/t_ishin/status/234597035851005952

いえいえストリップにも芸術性があるというツイートに、文楽とストリップを一緒にするな!と抗議が来たものですからそれへの反論RT @kandemo: 杉本文楽を絶賛した方のお言葉とは思われませんが… RT @2525FEDis 曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか?

これまた批判が集中した。
その多くが「シェークスピアや近松門左衛門も大阪では見せないということか!!」と言うものでそれはそのとおりなんだけれども、橋下がわざわざこんな言い方をしてきたのは、上に書いた
「たとえ話で論理をすり替え」ようとしたからではなかったか?

元々文楽問題は上に書いたように無形文化財に大阪市が補助金を出すことの可否にあり、そこの議論の中で、橋下には芸術に対する理解が全くないことが明らかになりつつあり、この市長が自分の恣意的な好みで文楽には補助金をカットしながら道頓堀プールのようなハコものにはじゃぶじゃぶ予算を付けようとしていることが橋下の市政運営の態度の問題になりつつあった。

そんな中、橋下は文楽とストリップを同列だと言われても仕方がないようなつぶやきをなした。
こうなると、ますます橋下は芸術に対する理解力が全くないと評価されてしまう。
そこで橋下はあり得ないようなたとえ話を持ち出した。
それが「曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか?」「あらゆる表現には芸術性が宿ります」というつぶやきだった。
これで橋下は表現の自由の問題に議論を誘導した。
この議論に乗る以上、橋下の芸術に対する無理解は蚊帳の外になり、あとはひたすら表現の自由の問題となり、橋下の市政に対する姿勢は問われなくなる。

*1:ばか大学教授とかクソ教育委員会とか過激な言い方をする

*2:これについてはhttp://www.magazine9.jp/hacham/111109/index.php 参照のこと