kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

サッカー日本代表と日本陸軍

現在ブラジルで開催中のワールドカップの件だが、日本代表が昨日ギリシャスコアレスドローで引き分けた。
私は、サッカーについては門外漢で技術的なことやら何やらを語るほどの能力はないが、昨日の試合を報じるネットの記事などを読むと、最後の最後にコートジボワール戦でも日本が行ったパワープレイという戦術が批判を浴びている。
「理に適わない攻め、謎だらけの采配」 10人のギリシャを攻略できなかった日本代表の落胆 | サッカーダイジェストWeb
まぁ、素人目に見ても普段やっていないことが本番で成功することは極めて希だろうし、一次予選ならともかくもそんな戦略を易々と通してしまうようなチームがワールドカップの本戦に出場するはずはあるわけがないことは明らかなので批判はやむを得ないように思える。むしろ「バンザイ突撃」と揶揄されても仕方がないのではないか。

「バンザイ突撃」?

日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)

日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)

先日購入したこちらの本で引用する戦車部隊の記録に寄れば、この部隊の「バンザイ突撃」は

「期待していた撤退命令が来ない以上......このまま座して全滅を待つより、潔く総攻撃を敢行し、玉砕することによりサンマニュエル死守の任を完う」
(同書211頁)

するためにおこなわれたものであったとのことであり、全ての「バンザイ突撃」が軍上層部の方針でおこなわれたというものではなかったようだ。
また、同書は元大本営参謀陸軍中佐の原四郎の証言として

「ただ一度でいいから勝ちたかった。南九州の決戦、それも志布志湾の決戦で勝ちたかった、意地だった。そして陸軍最後の歴史を飾ろうと思った。政治は、本土決戦によって終戦に移行しようと考えていたかもしれませんが、私の考えは上陸する的の一波だけでもいいから破摧したかった」
(同書249-250頁)

と紹介している。

サッカー日本代表のザッケローニ監督がどのように考えたのかは私はわからない。
すべての作戦が全く功を奏さず時間だけが過ぎて追い詰められた上でのことだったのだろうか。
わからないが私にはザッケローニ監督のメンタリティが上記引用と通底するものがあるように見えてならない*1

*1:日本人に特有のメンタリティとは私は思っていない。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%AF%BA%E9%99%A2