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kodebuyaの日記

再分配にYES!!そして橋下にNO!!の食レポブログです。

内向き化する日本

日本をトリモロしたい人にとっては随喜の涙を流すほど嬉しい結果が出たようだ。

日本人の「国民性」 震災後に変化? NHKニュース

日本人の国民性について、「他人の役に立とうとしている」と考える人が「自分のことだけに気を配っている」と考える人を初めて上回り、調査を行った研究所は「東日本大震災後、人との絆が多く語られた結果ではないか」と分析しています。
(以下略)

この結果そのものは初めてのものではなく、平成25年版厚生労働白書にも、若者*1についてではあるが、同様の記載がある。

平成25年版厚生労働白書 −若者の意識を探る− (本文)|厚生労働省

現在の若者は積極性に欠けると評されることもあるが、日本の未来を良くするために行動しようと思っているかと尋ねたところ、「自分に何かできると考えたことはない」と答えた人は、わずか 9.0%だった。
「仕事や学業を通じて貢献したい」と答えた人が 34.8%で最も多く、「社会的起業やボランティアを通じて貢献したい」と答えた人が 11.7%、「寄付やチャリティーを通じて貢献したい」と答えた人が 8.6%であった。「貢献したいがどのようにすべきかわからない」と答えた人(33.2%)も合わせると、日本の未来のために何かしら行動しようという意欲を持つ若者は過半数に上ると考えられ、少なくないことがわかる(図表2-1-19)。

社会への貢献意欲に関する経年変化を見てみると、社会の役に立ちたいと思っている者は、1980年代後半から増加し、近年高い水準を維持している(図表2-1-20)。
「若者の意識に関する調査」においても、社会のために役立つことをしたいと思うかと尋ねたところ、「そう思う」が 20.8%、「どちらかといえばそう思う」が 59.2%であり、約 8割の若者が社会貢献に対して前向きであった(図表2-1-21)。
(同白書48-49頁)

同白書はこのほかにも若者の生活満足度の調査を行っておりこれによると

  • 現在の生活については

15~39歳の8.9%が現在の生活に「満足している」、54.4%が「どちらかといえば満足している」
と回答しており、合わせて約6割の若者が、現在の生活に対して満足していた(図表2-1-1)。
「国民生活に関する世論調査」(内閣府)でも同様に、2012年の時点で、20歳代、30歳代のそれぞれ約 7割が、現在の生活に概ね満足(「満足」又は「まあ満足」)であると回答している。また、他の年齢層と比較すると、20~30歳代は、40~50歳代よりも、概ね満足している人の割合が高い(図表2-1-2)。
(同白書38頁)

であり、

  • 満足感の背景は

現在の生活に「満足」又は「どちらかといえば満足」していると答えた若者に対し、その最大の理由を尋ねたところ、精神的な充実によると答えた人(82.6%)が、経済的豊かさによると答えた人(5.7%)を大きく上回った。精神的充実の中でも、好きな家族や恋人、友人等の存在による精神的充実と答えた人が全体の 55.2%と際立って多く、趣味や仕事などよりも身近な人との付き合いが、現在の若者における満足感の最大の要因となっていることがわかる(図表2-1-7)。
(同白書40頁)

であり、

  • 生活満足の理由は

未婚者や離別者よりも、既婚者は、身近な人とのつながりによる精神的な充実感によって現状に満足している人の割合が高いことがわかる(図表2-1-11)。世帯収入別でみた場合、年収が高くなるほど経済力や社会的地位によって満足している人の割合が少しずつ高くなるものの、年収 1,000万円未満までは身近な人とのつながりによる充実感により現状に満足している人の割合が最も高い(図表2-1-12)。
就業形態別にみると、自営業種及び会社役員・団体役員以外は、身近な人とのつながりによる充実感により現状に満足している人の割合がいずれも 5割を超えている(図表2-1-13)。
(同白書42頁)

となっている。

また、そのような若者達は海外での就労に興味は薄く(同白書141頁)、長期雇用の下でのキャリア形成を志向した(同白書137頁)、働く目的を経済的豊かさよりも、楽しい生活を重視(同白書136頁)する若者である。

以上を踏まえて、件のNHKの報道を見てみるとこういう考え方もできる。

「他人の役に立とうとしている」人が増えていることは間違いはなく、その理由として人との『絆』が多く語られたことがあることを認めるとしても、そこでいう「他人」とは好きな家族や恋人、友人等といった自分の半径数メートルにいる「他人」なのではないか。

勿論このような生き方が悪いと言いたいわけではない。いつの時代にもこのような生き方を求める人はいたことも間違いではない。
問題にしたいのは『絆』の及ぶ範囲は手厚く面倒見もいい人が、必ずしも範囲外の人にも同じではないということだ。

そう考えなければ最近問題になっている在日朝鮮・中国人に対するヘイト問題や電車内でのベビーカー問題に代表される、日本社会における排外意識の顕在化が説明できないからだ。

内向きの社会の行き着く先については先の記事
【再読】松本健一 「日本の失敗」---「第二の開国」と「大東亜戦争」 - kodebuyaの日記で指摘したとおりだし、何よりもそれを私は恐れる。

*1:15歳から39歳まで