kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

罹災者・貧困・障碍者そして大量殺人犯

神戸に大震災があった後、知人が仕事の関係で被災地に寄り合いバスで入ったのだが、そのバスの中でボランティアとおぼわしき男性が「せっかく来たんだから、何か大変だった話をしてくれ」と被災者に話しかけていて、車内で大顰蹙を買っていたという話をしていた。被災者であってもいつまでも泣いているわけにはいかないし、いちいち視も知らない人間に自分の経験を語る義理なんてどこにもないと思うのだが、件のボランティアの男性はボランティアに行った思い出に「正しい被災者」の話が聞きたかったんだろう。この話を思い出したのは、最近話題になったこれらの件のおかげだ。
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2番目の記事の「感動ポルノ」という言葉には唸らされた。
我々はもしかしたらテレビに何らかの「感動」を求めていて、それに合わない事象は全て非難の対象にされるのかもしれない。
だから
「ランチに千円も使っているから」
「ライブに行きたいなんて贅沢だ」
障碍者は苦しみの中に喜びを見つけている」
「楽しいエピソードは使えないっす」
という反応になるのだろう。
先に紹介した被災地に入ったボランティアと同じ感覚。「せっかく時間と金を使っているんだから俺が望んでいるものを見せろよ」という感覚と同じだと思えてならない。

それが、やってはいけないところまで行ってしまったのが相模原でおこってしまった障害者施設の大量殺害事件だろうと思う。
容疑者は福祉に興味があったのだという。
それは単に「感動ポルノ」を味わいたかっただけではなかったのか?
それが、現実の業務の中で色あせていき幻滅した結果の犯罪だったのではないかと思えてならない。