kodebuyaの日記

労働問題が最近多くなった食レポブログです。

似ているけど違う

いま話題のこのエントリ
わたなべ美樹(ワタミグループ創業者)公式サイト

実はブラックの自白だったという壮絶な自爆芸を見せつけたという指摘
ワタミが自らブラック企業告白をしている件について - novtan別館
がある。
ある意味労基法違反であることを宣言したようなもので、小気味よさすら覚えるのだが、気になったのは最後の2ブロックの書き方だ。

只一方で、パートさんやアルバイトさんを含めると、3万人を超える方がワタミグループで働いています。私の目の届かない所で理念と反した事実が起きてしまうことも稀にあります。しかしながら、私が事実を知った瞬間からは、早急かつ厳格に対応をして参りました。理念研修を定期的に行い、現場の声が私に直接あがってくる仕組みもあります。


もちろん、不満や不安を持つ従業員もいることでしょう。でも、皆様の勤務されている会社にも、大なり小なり、そうした不満や不安を持つ従業員の方がいらっしゃるのではないでしょうか。そして、そうした不満や不安を乗り越えた先に、大きな成長を手にすることができ、夢に近づくことができることもあるはずです。
参議院選挙に出馬させていただくことで、これからは、ワタミグループのお客様、株主様、社員、お取引業者様だけではなく、全国民の皆さまが、私の大切なお相手です。
正しい事実と思いを、これからもこうして皆さんにお伝えしてまいります。

また、同人の参院選出馬会見ではこうも言っている。
ワタミ会長、出馬会見で「夢のない若者、世界に関心持とう」 自民から参院比例区 : J-CASTニュース

「なぜ夢を持てないかというと、(日本の)現状にある程度満足してしまっているから。自分のことだけでなく、たとえば発展途上国の子どもたちなど、世界の現状に関心を持てば、『自分も役に立てるのでは』と責任感が生まれ、そこに次の夢が生まれてくるのでは」

こいつ本気や

渡邉自身、自分の「夢」なるものをかなえるために、無茶な仕事をしてきて、いまこれだけの人間になっている。それは誰にも出来ることで出来ないのは自分自身の問題なのだと本気で思っていて、それを政治の世界でも体現したいと本気で考えているのだ。

「ボクが出来たんだから君だって出来るよ。」
「自分の可能性は無限大なんだよ。あきらめているのは自分に嘘をついているんだよ。」
「君も夢を叶えたいよね。僕もそうだった。僕はありとあらゆるものを仕事に捧げてきてここまでになったんだよ。」
「夢を叶えたいなら24時間365日夢を実現させるために頑張ろうよ。」

話は突然に橋下徹の話に変わるが、ある意味橋下だって同じような人間だ。
橋下についてはかなり古いがこちらの記事が
2008-10-27 - kom’s log
橋下という人間を

とはいえ、こうした某知事の卑怯さは実はあまり問題ではない。バカにされて終わり、という人格の問題である。より大きな問題は、この某知事が高校生に対し君もボクも同じ競争の場にいるライバルである、という幻想を振りまいている点である。「あなたが政治家になりなさい」という人間の成長の不可逆性と時間軸を無視した屁理屈は、その背後にあるライバルという他者認識なくしてはでることのない言葉だ。みんな競争しているんだ、僕も君も競争しているんだよ。だから負けそうなキミにエールを送ろう。僕もこんなにがんばっている、だからキミもがんんばれ。やさしく言えばそんなことになるだろうか。いわば戦友としてのエールだ。しかしそこは戦場ではない。普通の人間は生活しているのであって、知事のように自ら招いた四面楚歌でわら人形その他大勢を相手に戦っているのではないのである。万人よ、四面楚歌を招聘せよ。万人の万人に対する闘争、とはよくいったものであるが、地方共同体の長が万人の万人に対する闘争を煽ってどうしようというのか。

と批判しているが、見事に橋下の本質を言い当てているといえる。
「ボクも家庭事情があって大変だったんだけれども、高校・大学・司法試験に勝ち上がってこうなったんだよ。勝ち抜けないのは君の努力が足りないんじゃないのかな」
「ボクは選挙に勝って今の地位にいるんだよ。気に入らないならボクを落選させるだけの努力をすればいい。できないのは努力がたりないんじゃないのかい。」

二人の言い方は「俺が出来るんだからお前もやれ」というもので極めて似ている。
でも、大きく一点違う。
橋下は「どうせ出来ないだろう」という認識の元発言をするが、渡邊の場合は素直にそれを信じていると言うことで、ある意味橋下よりたちが悪いと言えることだ。